雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい。

体は社会人、心は自由人。三十路間近のネコ好き。日記や日々考えたこと、社会問題、ときどきサッカー。

大学生が勉強をがんばる理由って?研究活動が重要である理由をまとめてみた

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大学は研究機関であるべきである!

大学ではすぐに役立つことを学ばせるべきである!

という相反する(?)ような意見がそこらかしこで交わされる今日。

2つの面白い記事を見かけました。

その記事に言及しつつ、僕なりの大学の役割を整理したいと思います。

 

学生の本分は勉強である

もともと大学には学ぶために進学しました。学生の本分は学業だと思っています。自分で学ぶこと、自分で研究すること、自分で考えること。

ただ、現実はそうじゃない。「大学」の言うまま、思考停止状態でがむしゃらに「就活」をさせられている人たちがいる…。

一度、「なんでいつも論文のことばっかりなの」とゼミの同期生から訊かれたことがありました。
少し腹が立って、「そっちこそ、なんでいつも就活のことばっかりなの」と冗談めかしつつ質問で返しました。

「なんでって、就職するために大学来てるんでしょ???」
「いや、私は学生の本分は学業だと考えてるんだ」

先日も言及させていただいたゆっこ (id:michikusadiary)さんの記事です。ゆっこさんは「研究機関」としての大学に期待して入学したが、自分が期待しすぎていたのが失敗だった、と述べています。

記事中では周りの学生が「就活!就活!」となっていることへの不満が表れています。ちなみに、僕もそういった学生は好きではありません。

 

大学を卒業した人に足りない問題創造力

すなわち、企業においての「問題」はルールが曖昧で、すべての条件が与えられているわけではない。むしろ、不明な条件が多く、自分で条件を付加し、仮定を置いて問題を完成させてから、それを解く必要がある。

本来であれば、大学がこのような教育をするべきなのだろうが、大学を卒業しても相変わらず「習っていないのでわかりません」、「やったこと無いのでできません」という人がいるところを見ると、残念ながらまだ大学も十分役割を果たせていないのだろう。

「学校の勉強が役に立たない」 との批判も、こういった現実から起きているとみられる。

企業において、「与えられた課題をこなす」から、「自分で問題を作り出す」人が求められるようになってきた現在、「問題解決」よりも「問題創造」が重要視されるべきであるとは、金言だと思う。

この記事の著者はティネクト株式会社代表の安達さんという方。安達さんは「すべての条件が明らかになっていない以上、自分である程度の条件設定を行い、その条件のもとで仮説を立て、実行していく必要がある」と主張していますが、新入社員の方々はそれができていないとのこと。

そして、「問題解決能力」以前に「問題創造力」が必要であると言っています。

 

問題創造力は研究活動を通じて養われる

安達さんは若手の能力のなさを嘆きながら、大学教育のあり方を論じていますが、ゆっこさんが言うように大学の教育がどうこうではなく、学生のほうにやる気がないというか、勉強をする前に就活をしてしまうところに問題があるのだと思います。

 

研究活動というのは(理系においては)以下のような順序で行われます。

  1. 課題を見つける
  2. 課題を解決するための仮説を提唱する
  3. 仮説を実証するための実験を行う
  4. 実験結果から仮説を修正する

安達さんが嘆いているのは②を実行する力がないということでしょう。

しかし、大学において就活をする前にきちんと学生の本分である研究活動に精を出していれば、①~④のプロセスを(少なくとも大学卒業前には)学ぶわけです。実践するわけです。経験する機会は用意されています。

そこにやる気を出して取り組むか、就活の片手間に取り組むかは学生が決めることです。

大学の先生だって、やる気のある学生には優しいです。1を聞けば10を教えてくれるでしょう。

つまり、嘆くべきなのは大学の教育ではなく、「就活>勉強」と考えてしまう学生の考え方なのです。

 

大学とは「研究活動を通じて教育を行う場所」である。

最近、大学教授には「教育を行う」という意識がないとか、「教える技術が未熟である」とかいう意見もありますが、僕はそんなことは問題ではないと思います。

何のために高校まであんなに勉強をしてきたかというと、大学生になってから自分で積極的に学んでいくために、基礎知識を身につけているんです。 

分からないところがあれば専門書を読んで、論文を読んで、それでも分からなければ先生に聞きに行けばいいんです。

「質問なんて受け付けない。俺は研究だけしていたいんだ!」という教授は問題外ですが、高校や予備校までの教師・講師を基準にして大学の教授のレベルを語るべきではありません

大学とは「教授といっしょに研究活動を行うことで(もしくは自分の研究に助言をしてもらうことで)、問題解決力を学んでいく」場だと考えています。

 

そして、それが学生側のやる気のなさのせいで、十分には実践されていないということでしょう。

 

まとめ

大学での勉強というのは、高校までと違って自分の好きなテーマを選べ、さらには自分の何倍もその分野に詳しい先人がおり、さらにはさらには気軽に質問に行くことができるという、夢のような世界です。

また、大学での「答えのない問題へのアプローチ」、「問題を自分で作り出していくアプローチ」は社会に出てからもとても役立つものです。

今から大学に入る方や大学生の方は一度、恵まれている環境に目を向けてみてください。

 

今日はこんな感じでーす。でわでわー。