【感想】村上式シンプル仕事術(厳しい時代を生き抜く14の原理原則):すべての社会人に読んでほしい名著
ビジネス本の名著と呼ばざるを得ない。人間としての幹が太くなる作品です。
仕事をするうえで知っておかなくてはいけないが、「知っておくべきである」となかなか言われないこととはなんでしょうか?
世の中にはいろいろなビジネス本が溢れています。また、ネット上にもいろいろ分かりやすい仕事術の記事が並んでいます。
具体的には「○○をするための10個のコツとは?」とか「○○になるために心がける7つのポイントは?」など。
「すぐに結果を求めるもの」、「何をすればいいかが具体的に書いているもの」が人気になっています。
確かに、具体的にしてもらうほうが参考にする人は楽ですよね。ダイエットをするにあたって
<摂取カロリーを減らして、運動をしてください>
よりも
<ご飯を一膳にして、毎日30分はウォーキングしてください>
のほうがわかりやすいです。
しかし、具体的にすればするほど「何のためにそうするのか」が 分からなくなります。
「何のため」が分からないと間違った努力となってしまうこともあります。
上記の例であれば、「一膳」といっても、力士が使うような茶碗に大盛りで一膳食べていたら意味がありません。
「ブログを毎日更新することが文章力の向上につながる」とよく言われますが、だからといってただ毎日更新すればいいというわけではありません。
毎日一定量の文章を書き、推敲してこそ、意味がある行動となります。
わずか100文字ぐらいの記事を量産しても効果は得られないでしょう。
本書は、最初に挙げた「○○が上達する10個の方法」などを批判しているわけではなく、それらとは違った視点からシンプルにかつ抽象的に仕事術をまとめています。
本書を読んで「すぐに仕事ができるようになる!」ということは決してありません。
しかし、「西洋におけるキリスト教の考え方」、「仏教とは何か」、「経済学は重要である」など自分の仕事に対する幹が太くなるようなことについて述べています。
「キリスト教の考え方」について述べると、アメリカ人とビジネスをするとき、相手の思考の根底にはキリスト教があり、「キリスト教の考え方」を知っているのと知らないのでは、コミュニケーションの密度に大きく差が出るということです。
なんとなく手にとった本作品、予想以上に良かったです。