雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい。

体は社会人、心は自由人。三十路間近のネコ好き。日記や日々考えたこと、社会問題、ときどきサッカー。

ハリルホジッチが日本代表をベスト8まで連れて行ってくれる

サッカーボール

 

10月11日のオーストラリア戦を終え、日本代表はワールドカップ最終予選でB組の3位となっています。

11月の試合が終わった時点でちょうど折り返しとなるので、今の順位はまだ暫定的な意味合いが強いですが、1位から4位まではまだまだ混戦模様となっています。

さて、最終予選の初戦であるUAE戦に敗れたことで、一気にハリルホジッチ解任論が聞こえるようになってきました。

報道の煽りもそうですし、記者会見でもかなり批判的な質問も見られました。

しかし、僕はそういう報道に対して疑念の目を持って見ています。

今回は「そもそも日本代表は本当にアジアで強いのか」、「日本がワールドカップでベスト8まで進めるか」を考えてみたいと思います。

 

アジアのレベルアップはみんなが思っている以上である

これについてはよく言われていることですが、お隣の韓国を見てみると非常に分かりやすいです。

韓国は日本以上に世界と戦ってきた期間が長く、ワールドカップにも連続出場を果たしていますが、2010年のブラジルワールドカップの最終予選では8試合を戦い、勝ち点14でウズベキスタンと並ぶという結果となりました。

チーム勝点試合勝利引分敗戦得点失点点差
イランの旗 イラン 16 8 5 1 2 8 2 +6
韓国の旗 韓国 14 8 4 2 2 13 7 +6
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 14 8 4 2 2 11 6 +5
カタールの旗 カタール 7 8 2 1 5 5 13 -8
レバノンの旗 レバノン 5 8 1 2 5 3 12 -9

2014 FIFAワールドカップ・アジア予選 - Wikipedia

結果的には上記の通り、得失点差で韓国がワールドカップ出場を果たしましたが、あの韓国でさえ、ワールドカップに出場するのは当たり前ではないということです。

 

過去の「結果」だけを見ているメディア(いつ、日本は強かったのか)

昨年のアジアカップのベスト8や9月のUAE戦での敗戦など、「弱くなった」と言われる日本代表ですが、いつの時代、日本はアジアで圧倒的な強さを誇っていたのでしょう

アジアカップで振り返ると、トルシエが監督だった2000年、ジーコが監督だった2004年、ザッケローニが監督だった2011年に優勝していますが、2000年以外は圧倒的な実力で優勝したというよりも、紙一重の戦いで、運も含めて勝ち上がった印象のほうが強いです。

2004年のときは、グループリーグの初戦のオマーン戦、中村俊輔の芸術的な左足のアウトサイドのシュートが決まらなければ、おそらく引き分けていたでしょう。

www.youtube.com

 

また準々決勝で戦ったヨルダン戦はPK戦までもつれこみ、中村俊輔とサントスが失敗した時点でほぼ負けが確定していましたが、宮本主将のレフェリーとの交渉で流れが変わり、川口が神がかり的なセーブをしたおかげで、勝ち上がることができました。

www.youtube.com

 

2011年のときも、グループリーグ初戦はアディッショナルタイムの吉田のゴールに救われ、準々決勝は伊野波の時間ぎりぎりのゴールに救われ、準決勝の韓国戦もこれまたPK戦で勝ち上がることができました。

またワールドカップの予選も同様で、簡単に予選を突破したということは一度もありませんでした。

 

こうやって見ていくと、ベスト4だった2007年のアジアカップも含め(このときも準々決勝ではオーストラリアとPK戦で勝ち上がっています。オシムさんがPK戦を見なかったことも話題になりましたよね)、いつ、ベスト8で敗退していてもおかしくなかったんですね。

どれも運が大きく絡んだものですし、アギーレが監督のときにUAEにPK戦で敗れ、ベスト8に終わったことは、殊更取り上げる話でもありません

 

しかし、過去の結果だけを見て、「アジアカップでは優勝が当然」のような流れになり、2015年のアジアカップはベスト8で終わったことで、大きな批判をされました。

確かに結果的には勝つことが多いですし、僕はどの国よりも日本は強いと思っていますが、どれだけ強いかというと「そのときのコンディションの差や運で負けることも十分あり得る」ぐらいの強さだと考えています。

9月のUAE戦は内容も良くなかったですが、それでも10回戦えば5回勝って、3回引き分け、2回負けるぐらいの感覚でいます。

 

ワールドカップでベスト8へ進むには

ワールドカップに出場してくる国は、だいたいが日本よりも格上です。

グループリーグ4か国の中で、実力的には3番目か4番目であることがほとんどでしょう。

また、グループリーグを2位で突破した場合は、ベスト16でほかのグループリーグを1位で突破するような優勝候補と対戦しなくてはなりません。

どの試合もどうしても得点の機会よりも失点の機会のほうが多いでしょう。

しかし、サッカーには引き分けがあります。

格下は「負けない」という結果を目指すことに大きな意味があります。

 

負けないためにはどうすればいいか。

守備を固めればいいんです。

 

日本代表がFIFAランクトップ10に入るには、そもそものサッカースキルの向上が必要ですが、そんなものは一朝一夕でできるものではないですし、ましてや代表監督にできることなんて限られています。

代表監督の仕事はFIFAランク30位ぐらいのチームが、格上がほとんどのワールドカップにおいて、どうやったらベスト8まで進めるかを考え、実践することです。

そうすると、ボール支配率が高い戦い方を得意とする指揮官よりは、守備の陣形を整え、カウンターに磨きをかけられる指揮官のほうがより適していると言えます。

 

そして、先日のオーストラリア戦、本田のワントップから始まり、本田と香川に与えた守備のタスク、後ろでブロックを作り、チャンスらしいチャンスを与えなかった戦術、試合の流れを考えた交代など、全体的にすごく良い采配だったと思いました。

 

交代については、シドニーオリンピックのアメリカ戦の後にトルシエが言っていたように、拮抗した試合展開だったり、守備のバランスを考えると、「動かない」という選択肢も十分あり得ますし、ハリルホジッチが「後半終盤までスコアレスで耐え、後半30分過ぎから浅野と清武の投入で一点取れればいいな。引き分けでもオーケー」と考えていたとしたら、やはり交代のタイミングは妥当だったと思います。

 

まとめ

ブラジルワールドカップの3試合を見ると、日本はまだ、真っ向から勝負をしてベスト8まで行けるレベルではありません。

世代交代の必要性も叫ばれていますが、おそらく、ロシアワールドカップまでは次の世代が出てこないという意味で、大きなメンバー変更はないと考えています。

序列の変化などはあるかもしれませんが、本田や香川がベンチにも入れない状況も考えにくいですし、今呼ばれていないリオ五輪のメンバーが何人も入ってくるとも思えません。

そうすると、やはりロシアワールドカップでも守備的な戦いを強いられることとなりますし、そうであれば、ハリルホジッチがきっとベスト8まで連れて行ってくれると僕は信じています。

 

ちょっとあまりにもハリルホジッチへの批判が大きくなったもので、僕の考えを記事にしてみました。

 

以上、本日もあめおど管理人がお送りいたしました。